
カルテルって何?
カルテル、会社どうしで話し合って値上げしたら、なぜダメなの?
今回は、大手ビール会社どうしが、 商品の価格について事前に相談していたのではないか、 というニュースをきっかけに考えてみます。
ニュースの中で出てきたのが、 「カルテル」という言葉です。
ちょっと難しそうですよね。
そこで今回は、 お子さんとカルテルで 対話する例 を紹介しています!
まずは、今回のニュースを簡単に
今回のニュースでは、 大手ビール会社4社が、 ビールなどの価格について事前に相談していたのではないか、 という疑いで調査されています。
今はまだ 「疑いがあり、調べられている段階」 です。
この「疑い」と「確認された事実」を分けて考えることも、 今回の大切なポイントですね。
「こっそり話し合うこと」がカルテルなの?
さくさく先生:
ハッチ、「カルテル」って聞いたことある?
ハッチ・クリッチ:
うーん……。
会社どうしがこっそり話し合うことじゃないの?
さくさく先生:
そう思いやすいよね。
ニュースを読むと「こっそり」という言葉が印象に残ることもあるから。
でも実は、 「こっそり話したかどうか」がカルテルのポイントではない んだよ。
ハッチ:
えっ、そうなの?
さくさく先生:
うん。
本当のポイントは、
ライバル会社どうしが、
本来自分たちで決めるはずの値段などを
相談して決めたかどうか
なんだ。
ハッチ:
なんだか難しい……。
さくさく先生:
じゃあ、ジュース屋さんになって考えてみようか。
ハッチがオレンジジュースを売る会社だったら、 どんな売り方をしたい?
カルテルとは?まずはジュース屋さんになって考えてみよう
ハッチ:
売る人?
さくさく先生:
そうそう。
もしハッチがオレンジジュースを売る会社だったら、
どんな売り方をしたい?
ハッチ:
どんな売り方があるの?
できるだけ工夫して、安く届けたい。
安さと品質のバランスを大切にしたい。
いい材料を使って、おいしさを大切にしたい。
自分なら、ほかの売り方を考える。
どのパターンでジュースを売りたい?
さくさく先生:
どれを選んでもいいんだよ。
大事なのは、 「どうして、その売り方にしたの?」 って考えてみること。
安さを大切にする会社もあれば、 品質を大切にする会社もある。
会社によって考え方や工夫が違うから、 お客さんも商品を比べて選べるんだね。
ところが、その次の日こんな話が……
じゃあ、ハッチ。
A社・B社・C社の人たちと、
ジュースの値段についてこんな話し合いに参加したとしよう。
「材料代も上がってきたし、 今度から160円くらいにしない?」
「160円なら、うちもそれくらいにしようかな。」
「じゃあ、うちも160円くらいにするよ。ハッチ、いいよね?」
大切なのは、 「160円だから悪い」のではなく、 ライバルどうしで値段を相談して決めたこと です。
探究|価格カルテルがあると、何が起こる?
ここから、もう少し考えてみましょう。
最初に「どんなジュースを売りたい?」と聞いたとき、 ハッチはこう答えていました。
私はA!
いろいろ工夫して、 100円で売りたい!
安くして、たくさんの人に飲んでもらいたいな。
クリッチは?
ぼくはDかな。
すごくいいミカンを使って、 パッケージにもこだわって作りたい!
だから、 200円で売りたいな。
ハッチは 「工夫して100円」。
クリッチは 「品質を上げて200円」。
同じオレンジジュースでも、 目指している商品や売り方は全然違うね。
「みんな160円にしよう」
という約束に参加したら、どうなる?
カルテルがあると、どんなことが起こる?
では、 「みんな160円にしよう」という約束があったことで、 ハッチやクリッチ、そして買う人に どんな変化が起きるのか考えてみましょう。
私は100円で売りたかったのに、 160円になっちゃった。
そんなに高くなったら、 買ってくれない人もいるかも……。
でも、 もし160円でも買ってくれる人がいたら、 私は100円で売るつもりだったときより 1本あたり60円多く受け取れるんだよね。
特に何かを変えなくても……。
そうだね。
そこには、2つのことが起きる可能性があるよ。
値段が高くなったことで、 買うのをやめたり、買う量を減らしたりする人が 出てくるかもしれないよね。
本来なら100円で買えた可能性があった商品を、 160円で買うことになってしまうよね。
つまり、 買う人が本来より高い価格を負担する可能性 も出てくるんじゃないかな?
私はもっといいミカンを使って、 200円のジュースを作りたかったんだけど……。
160円じゃ、 作りたいジュースを作れないよ。
だから、私はジュースを作って売るのをやめることにする。
すると今度は、 「200円でもいいから、クリッチの高品質なジュースがほしい」 と思っていた人も、 その商品を買えなくなるね。
つまり、 価格を一つにそろえることで、 市場から商品や会社が消えてしまう可能性 もあるんだ。
カルテルはなぜ禁止されているの?|おさらい
ハッチとクリッチの例から、 カルテルがあると何が起こるのか、 少し見えてきました。
商品の値段は、
本来それぞれの会社が
自分で考えて決めるものです。
「もっと安くして売ろう」
「この値段なら、もっと品質を上げよう」
「ほかの会社にはない商品を作ろう」
こうして会社どうしが競争することで、 いろいろな商品や価格が生まれます。
本来はそれぞれの会社が決めるはずの価格を、 ライバル会社どうしで決めてしまいます。
もっと安く売れる会社があっても、 価格をそろえる約束があれば、 安く売ろうとする競争が起こりにくくなります。
安さを重視した商品や、 会社ごとのいろいろな工夫が生まれにくくなることがあります。
競争が弱くなることで、 より安く、より良い商品を作ろうとする力が 弱くなる可能性もあります。
独占禁止法では、 会社どうしが自由で公正に競争することで、 企業の工夫を生み、 私たち消費者が自分に合った商品を選べることを 大切にしています。
ハッチ、もう一つ気になったみたい
さくさく先生、 ここまではなんとなく分かったよ。
私が100円で売りたかったのに160円になったら、 本当は100円で買えた人が 高く買うことになるかもしれない。
クリッチみたいに、 160円では作れない商品を 作らなくなる会社もあるかもしれない。
でも……
カルテルが禁止されているのって、
「値段が高くなるから」だけなの?
おっ、いいところに気づいたね。
実は、 「値段が高くなるからダメ」 だけでは説明しきれないんだ。
公正取引委員会も、 「会社どうしが自由に競争すること」や、 「それぞれの会社が工夫すること」、 「私たちがいろいろな商品から選べること」 を大切にしているよ。
じゃあ……
そもそも「競争」って、 私たちにとって本当にいいことばかりなのかな?
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