ニュースで作文を書こう なりきり
シリーズ⑩
~目次~
『 ミサイルとリンゴの木 』一枚のプラスチックを剝がす力
導入
私たちはゴミに悲しんでいます。
それは鼻を突く悪臭であり、突如として牙をむく火災であり、私たちの土壌を蝕む汚染の根源だからです。
燃やせば空が汚れ、埋めれば山となる。何をどうすればいいのか。私たちの叫びは、積み上がったゴミの地層に吸い込まれていきます。

悲しんでいる』という心の声を、悪臭や火災といった具体的なイメージで読んでいる人の鼻や目に訴えかける書き出し。
本論①
そもそも、なぜ焼却は「汚染」になるのか。
その正体は、皮肉にも文明を支える「炭素」でした。地球が何十億年もかけて地中に封じ込めてきた炭素を、人間はわずか数百年の間に、火という暴力で一気に解き放ってしまったのです。地球の呼吸が追いつかないほどのスピードで。
日本はそれを「最新の技術」でクリーンに燃やし続けています。私たちに出来ることは、一枚のプラスチックを剥がし、生ゴミの水分を絞り出す。しかし、その指先に、「これは何の意味があるのだろう」という虚しさがよぎります。
「環境のため」と自分に言い聞かせ、自我を押し殺して分別する日々。

調べたことをそのまま書くのではなく、『火という暴力』『炭素の貯金』といった自分なりの言葉に置き換えています。
本論②
そのささやかな努力が、たった一発のミサイルで「無」に帰します。
ミサイルは人命を奪うだけでなく、膨大な炭素を撒き散らし、衛生も、治安も、未来さえも吹き飛ばします。
そんな破壊の嵐を前にして、私の「50円分」の節約に何の意味があるのか。自暴自棄という暗闇が足元まで迫ります。
それでも、ゴミ1キロを減らせば50円の税金が浮く。たった50円、されど50円です。
それは「明日、地球が滅びようとも、今日私はリンゴの木を植える」という、狂おしいほどの希望に近いのかもしれません。

プラスチックを剥がす指先』という小さな日常と、『ミサイル』という大きな破壊を並べたことで、ハッチの感じている虚しさが痛いほど伝わってきます。これこそが、探究の心です。
結論
私たちは、海を隔てた「彼ら」に、そして世界を動かす「指導者」たちに伝えたい。 「平和な社会でなければ、環境のことなんて考えていられない」と。
ミサイルを研究する予算があるなら-
ジェット機を飛ばす燃料代があるなら-
それをどうか、私たちの環境を維持するための「機材」に変えて、無償で提供してください。
私たちは、ただ、きれいな空気の中で生きたいだけなのです。 あなたたちは違いますか? あなたたちの愛する人も、その空気を吸っているのではないですか?

最後は、世界への強い問いかけで締めくくりました。
『自分はどうしたいか』だけでなく、『あなたはどうですか?』と相手にバトンを渡す結びです。
ニュースで作文を書くコツを解説
導入:「なりきり」
役割:立場を変える
- 自分以外を選んでみよう!
ごみに苦しむ動物になりきってもいいよ。 - 今回は一番大切にしたい「困っている人」を置きました。
本論①:当たり前に【疑問】を持とう
役割:探究の始まり
- 燃やす=二酸化炭素?
もう少し深堀すると新たな事実に気づけるかもしれないね! - 分別への思い
素直な気持ちを描こう。
分別は大切なこと。でも、意識しないで処分できるならとっても楽だと思いませんか?
本論②:探究したことを世の中の不条理で対比
役割:本論①を活用する
- 世界のニュースとつなげる
私たちの分別はとても小さな努力です。しかし、分別をしなければ地球という家が壊れてしまうかもしれません。
そんな〝報われているかどうかも疑問にさえ感じる「小さな努力」″とミサイルを比較しよう。
そして、有名な言葉を使って表現。
「明日、世界が滅びるとしても、今日私はリンゴの木を植える」
結論:なりきった主人公が送りたいメッセージを考える
役割:他者の考えや意見を想像する
- 代弁してみよう
- まき込もう
まとめ
今回の作文は、探究のサイクルが繋がったかもしれません。
あたり前に「どうして?」を加える
たったこれだけで、様々な世界に出会うことができた
作文です。
小学生「ニュース作文」チャレンジ
今回は【なりきり】に注目してみましょう!
低学年
- チャレンジのヒント
自分以外を何にする?
👉 作文の例:
「私たち「フィリピンワシ」は~~
中学年
- チャレンジのヒント:
焼却の事実を調べてみよう!
作文の例:
「日本の焼却について調べました。実は~~」
高学年
- チャレンジのヒント:
視点を世界に向けてみよう
作文の例:
一方、他の国では~~
他者の意見を想像することは「なりきり」で始められます。
ちがう意見を想像することで【生きる力】が養われますね。
保護者の方へ:ニュース作文チャレンジを促す声かけのコツ
いっしょに分別してみませんか?
この分別にどんな意味があるかな?
もし分別しなければどうなるかな?
✏️おうちで、ここまでできたらOK
全部書けなくても大丈夫。①〜③を少しずつチャレンジしてみましょう👌
ここまで考えられたら、もう立派なチャレンジです
上手に書けているかどうかより、
考えようとしていることが、いちばん大切です。
迷ったり、止まったりするのは、
ちゃんと考えている証拠です。
📮 書けたら、送ってみませんか?
三文だけでも、途中でもOKです。
立派にまとめなくて大丈夫。
「こう考えたんだな」が伝われば、それで十分です。
※点数や評価ではありません
※うまく書けていなくても大丈夫です
子どもの探究力を高める方法を、もっと一緒に考えてみたい方へ
無料体験では、作文を書く前に「何を考えるといいか」を、スタッフと一緒に整理します。
- どう声をかければいいのか分からない
- つい直しすぎてしまう
- もう少し深い考えまで引き出したい
そんな保護者の方と、親子で探究する関わり方を一緒に考える時間です。
「どう書かせるか」ではなく、
「どう考えを広げるか」から始めます。
✏️つむぎ種のような作文を一緒に考える楽しい体験
作文は、考えをまとめ、表現する力を養います。
「どう書けばいい?」のと迷うことは考えている証拠です。
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こんにちは、さくさく先生です。
今週はハッチが、ゴミ山のニュースから感じた『世界の不条理』を、魂を込めて書き上げました。自分たちが頑張っている『分別』と、世界で起きている『破壊』。その間で揺れる心を、どう言葉にしたのか。ハッチの作文を4つのステップで一緒に読んでいきましょう。